【多面的と多角的の使い分けができると、他者へのイライラが減る】きみろーるメルマガバックナンバー2020年10月5日分
今日は働かれている人が一度は感じたであろう日本語表現の難しさについてお話しようと思います。
「多面的」と「多角的」
この2つをうまく使い分けできますか?
全然心理学と関係なさそうな話題ですが、そんなことはありませんのでどうか読むのを諦めないでください。
多面的・多角的……両方とも物事を一つの面(角度)から捉えずに、様々な面(角度)で捉えようという意図を表す際に用いられる言葉です。
僕もそうでしたが、ほとんどの人が適当に使ってますよね。ちなみに僕は割と多角的が口ぐせでした。
でもこの2つは明確な使い分け方がある、と思うんですよ。
この使い分け方に気づけている人は「自他の分離」について、勘が鋭いかもしれません。
辞書によると
・多面的:ものの在り方や見方がいろいろな方面にわたっているさま
・多角的:いくつかの方面にわたるさま
(引用:Goo辞書)
とある。なにか同じようなことを言っていて、違いがわかりにくいですよね。
2つの違いについて僕が想像したのは、主体(自分)と客体(対象物)の関係についてです。
このことを理解するために、幽体離脱をして(みる体で)地球の関係を想像してみてください。
日本の真上「0°」に上昇した幽体からは、東アジアを中心とした「面」が視界に入ります。
ここで角度をずらしてみると(例えば西へ進むと)中国やヨーロッパが捉えられ、180°、つまり真裏までくると、大西洋のど真ん中に行き着くわけです。
この場合「面」は客体として「見られた」地球を表しており、「角度」は能動的に動いていった幽体の見え方を示しているのです。
「多面的」という言葉を利用する際は、対象物に焦点を当てている意識が必要です。
「バリアフリーが持つ多面的な役割を考察する」「うさぎの可愛さが見せる多面性について」などの使い方です。
一方で「多角的」は自分の動き(能動性)に焦点を当てた使い方が求められます。
「復興案について多角的に検討する」「カエルの笑顔について、参加者の多角性に重点を置いた検討会議」というような感じです。
つまり文章の主語的要素が「対象物」だった場合は「多面的」を用い、「自分(たち)」だった場合は「多角的」を用いればいい。
このような考え方に注意をすれば、自他を分離して捉える意識の向上に寄与するかと思います。
自他の分離が上手になると、自分は自分・他者は他者という実感を持て、人の態度や考えなどに必要以上にイライラしなくてすむようになるんです。
アドラー心理学で課題の分離という概念があります。
他者の課題を奪って、自分が解決しようとすると、相手の成長を阻害し、自分自身も余計な気苦労に苦しんでしまうということを、アドラーは示唆しています。
他者のいらいらや未熟さは他者の課題ですから。
では自他の分離が難しいと感じる人は、多面的・多角的という表現の使い分けを練習してみてくださいね。
では今日も健康にお過ごしください!
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